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Unpopular Opinion: 親権サブスクリプション

2/8/2021

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親の孤立、児童虐待といった問題に対して官民双方から色々な対策が取られている。しかし多様性の尊重・個の時代・若者の人口集中という大きな力は育てる人間の減少と孤立を進めており、すぐに止まりそうにはない。

個人の人格についてTraitsとStatesの両要因が認められるようになった21世紀ではあるものの、子育てという問題に関しては親の安定したTraitsとその産物としての安定した人格に対する世間の期待値が未だ高く、親である(/になる)ということの息苦しさは耐え難いものとなり、少子化として現れている。

この状況は親だけでなく、子どもにとっても息苦しいものとなっている。生みの親ではない従来の育て親、つまり親戚、学校、地域のようなコミュニティの利用・干渉が難しくなってきたことで機会の不平等、貧困の連鎖、子どもの権利の侵害には歯止めがかからなくなっている。

セーフティネットの利用・干渉が難しくなっていくこの潮流の中では、子育てをする親/したいと思う大人/される子を「親権の呪い」の集中から解放するアプローチも効果的ではないだろうか?人格とそれを決定する一要因のStatesには揺らぎ(Fluctuation)があることを認め、大人が親になる/を辞めることを意思に基づいて選択できる、そんなシステムを時代の大きな流れに乗せることは可能だろうか?

そんな問いを繰り返す中で私は「所有から利用へ」というLiberationを親権にも適用できないかと考えるようになった。

親権サブスクリプションの特徴
  1. このシステムは行政に強制されず、本人の意志によってのみ発動する。
  2. 親が親権(一部/全部)の独占を諦める。
  3. 登録した親が蒸発や死亡によって親権を行使できなくなる。
  4. 2.または3.の手順で諦められた親権(一部/全部)を登録した育て親(単数/複数)が得る。
  5. 親と子の組み合わせは恣意的には選べない。
  6. 親同士の金銭のやり取りは定めない。
  7. 一定期間毎に契約の更改がある。(モデルa)育て親and/or育てられる子の希望がある場合のみランダムに組み直される。(モデルb)本人達の希望と関係なく一定期間毎にランダムにシャッフルされる。

Pro, Benefit
  • ​親の解放
  1. 親であることを強制されず、意思に応じて柔軟に選択できる。人格の揺らぎにおいて親であることが難しい時期には大人と子どもの両方を保護する。
  2. 子育て意欲の剰余を活用することで子育て人口と容量が増加する。
  3. 妊娠、出産を経ずに子を育てることができる。
  4. 次/別の養親によって虐待が発見され、不適切な子育てに気づくことができる。
​
  • 子の解放
  1. 親による"道連れ"リスクから解放される。
  2. 一人の親への依存を減らし子の得られる視点、機会が増加する。
  3. (特にモデルbを採用した場合)子どもの信教・良心の自由権と親の教育権等、親子間で権利が衝突するタイプの問題が緩和される。

Con, Risk
  • 親権、特に義務と決定権の所在が曖昧化・対立することを助長する。遺産相続なども問題になる。
  • (特にモデルaを採用した場合)親/子が判断するInstantなPopularityが受けられる機会への強い影響力を持つ。(たらい回しと逆たらい回し)
  • (特にモデルaを採用した場合)子が愛を与えられる家庭への帰属の根拠がPopularityになり、無条件の愛を与えられる環境の重要性と対立する。
  • (特にモデルaを採用し子による選択を許した場合)未熟な子による評価が親の教育の指標に強く影響するようになる。
  • (特にモデルbを採用した場合)長期間、成人後も継続する親子関係が欠如することによる人格・文化形成へ影響がある。
  • 親権を諦めるハードルが下がることで子育て人口と容量が減少する。
  • 子の数が育て親の容量の合計を上回ると親を持たない子が溢れる。

養子縁組など日米の現行制度とこのシステムの大きな違いは以下の2点。

  • 親権の共有ができる。ある時点で2人以上の育て親、または一定期間毎に親権が移行する。
  • 一方通行ではない。一定期間のみ親権を諦めて、子を育てる余裕が出たときに戻る、ということが可能。

児童相談所の援助や一時保護、里親制度など日米の現行制度とこのシステムの大きな違いは以下の2点。
  • 親権の共有ができる。ある時点で2人以上の育て親、または一定期間毎に親権が移行する。
  • 必要に迫られた保護のみならず、余裕のある状況におけるより良い環境獲得のためのオプションとしても機能する。

「高齢者×子育て」モデルの事業、社会実験もよく見るようになったが、それらとの違いは次の点。
  • 子育ての実務のみならず親権さえも移す。このモデルは、より養子縁組に近い形になる。より深いレベルの子への干渉、親のLiberationが可能になる。

親権サブスクリプションは、そもそも現行法では実現できない。しかも親権のやり取りを"手軽"にしてしまう過激に聞こえるため、生みの親と子の"絆"を神聖視する人々がアナフィラキシーショックを起こすかもしれない。しかし以下の点を考えると、非現実的な極論とも言いきれないのではないだろうか。

  • 現在行われている施策の多く、例えばソーシャルワーカーや各福祉司等スタッフの増強、子育てへの介入に関する法整備などが(必要な憎まれ役ではあるが)社会が個に干渉することが難しくなっているこの時代の大きな流れに逆行していることは言うまでもない。その点、親権サブスクリプションは時代の要求に応えられるのではないだろうか。
  • 人間のブレの下降の部分だけでなく、上昇の部分も認知している点で、養子縁組よりも児童相談所の援助や一時保護、里親制度などに近い。
  • 必要に迫られたTroubledの保護という保険機能を与えるのみならず、親、子ともに広い経験、多くの視点を与えるコミュニティの学校としての機能も持つ。

「ひとはひと」の時代、コミュニティの制振機能に頼らずに各個人、各家庭のブレをいかにマッチさせ分散させるべきか、という視点で子育てについて再考できた。無慈悲な親権という責任・義務で首を絞められる構図の解消に繋がるアイデアがもっと増えると嬉しい。また副産物として、社会の分断と共感機能の衰弱が相互作用しているこの時代に反行できる可能性も見えてきた。世界を見せると期待されたインターネットはむしろ究極のエコーチェンバーと判明したが、子育てを通してオフラインのランダムな多様性を体感することは今後もできるかもしれない。

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