(1) YouTubeという甘い毒
音楽を聴いたり学んだりするのは、決して安くも易くもなかった。 私がドラムを学び始めたのはおよそ2006年あたりで、YouTubeの誕生とほぼ同じ時期である。この当時市販のドラムの教材というと、教則本とそれについてくるCD・DVDくらいであった。中高生の頃は一緒に音楽をやる周りの大人たちに習い、大学生になると渡米し大学で音楽を学んだ。 そして今は一丁前に日米中で演奏、講義やレッスンをするおじさんになった。消費者から生産者になったこの15年の間で、世間の状況も大きく変わったと思う。YouTubeの普及によって莫大な量の演奏や教材が無料で容易に手に入るようになった影響は、あまりにも大きい。 聴く側、学ぶ側にとって様々な演奏、教材へのアクセスが容易になったのは良いことだ。確かに裾野は広がったかもしれない。しかし、悪い影響も無視できない。NAMMショーやPASICという世界中の音楽関係者が集まる展覧会に参加していると、この負の側面に関する議題が頻繁に取り上げられている。 (2) 聴く、学ぶ行為におけるインスタント性の高まり 視点1.レコード、CD、ウォークマン、ストリーミングと移る中で、一番良い部分に易くかつ安くアクセスできるようになった。お気に入りの1曲や1フレーズを見つけたりするのに何十分も曲を聴くようなことは、もはや一般的ではなくなった。YouTube、TikTokはその極致だ。インスタントな良さがすべてなのだ。 視点2.そもそも動画というフォーマットのインスタントな良さというのは、名前の有名度・顔などのビジュアル・再生数や評価など、音楽の性質以外の要因が大きい。音楽の良さの基準が、音のない要因とも結びつき、変遷してきた。「情熱大陸か第九をサビから弾くしかないんか」と言うピアニストや「タキシードという出オチ」と嘆くオペラ歌手、さらには「じゃあ私も谷間出せばええんか」とキレ散らかすバンドマンまで、嘆いている内容は同じだ。 視点3.YouTubeを含めたSNSでは、インスタントな「イイね」を取れるコンテンツが強い。これは学習者にとっても同じだ。理論の解説や、楽曲分析、地味なフレーズの繰り返しの演奏は、ウケない。動画の最初の数秒、場合によっては再生前のタイトルやサムネイルによって再生されるかどうかが決まる。そのため、大音量で派手なタム回しや、複雑怪奇なフィルが好まれる。日向があれば日影があり、派手があれば地味がある、そんなものは旧いのだ。全部日向が一番いいのだ。 視点4.学習者にとっては派手な演奏などの断片的な知識がどんどん貯まっていくだけで、「なぜその演奏がよく聞こえるのか」「なぜその手順なのか」などの根本的な理解が進まない。最近学習を始めた生徒さんを見ていると、このパターンがほとんどである。これでは、すぐに飽きてしまう。どんなに派手なフィルが叩けても、アンサンブル力がないと、「自分の出番」以外はうまく叩けないし、つまらないのだ。 視点5.無料で容易にアクセスできる派手な情報がある時代に、楽器店に行かなければ買えず、DVDプレイヤーが必要で、数千円もする教則本なんてものは、物好き以外は買わない。動画であればコメント、再生数、評価やクオリティなどで「良いもの」が簡単に判断できるが、教則本の良し悪しは、とてもわかりづらい。 聴く側=消費者の耳も、学ぶ側=将来の作る側の手も、インスタントな音楽にチューニングされている。 (3) 音楽はオマケになった。 「CDショップやiTunesで30秒の試聴が導入されても、スローな良さを好む(=認知に時間と注意力を費やす)層はいなくならなかった。」「インスタントな良さに飛びついたファンも一部はコアファンに変容し、より長く深い音楽自体への注意をいずれ獲得できる。」「敢えて人気でないものを好む層もいる」「モノ消費からコト消費へ、CDからライヴへ」 こんな慰めの言葉をいくら聴いても、現場のディストピア感は消えない。音楽はもはや単体では数秒の注意しか獲得できず、1曲0.01円まで価値は落ちたのだ。前述のコメントは我々の危惧の本質からズレているのだ。音楽自体で金をとる、音楽で長い時間の楽しみを提供することは、もうかなり厳しい。 仕方ない。技術の革新と普及は避けられない。あらゆるものの価格は落ちる。そんなことはわかっている。しかし(特に自覚のある)演奏者にとって、技術と市場の大きな力に負け、俗に落ちてこのインスタント化=音楽の価格の下落を加速させる歯車になることは大きな悲しみを伴うのだ。吹奏楽部のスポ魂化批判、クラシック奏者による「ポップス堕ち」した同業の軽蔑、インディーズによるメジャーの「大衆迎合」批判など、これまで数世紀の間、様々な形で現れてきたものも、ついにここまで来たのである。 無料でコンテンツをオンラインに上げ、聴く者・学ぶ者をインスタントな良さにチューニングし、裾野を広げるとの名目で価値の低下を招く、そんな行為に対する嫌悪感。 しかしこれはジレンマの一例に過ぎない。散々言う私も、もういろいろな形でこの業界の自殺に加担してしまっている。コンクールの実績では売れず結局アイドル化した音大卒のピアニストに依頼通りの派手な曲を書きながら、大衆向けと謳うクラシックコンサートでジジババに向けて燕尾服で千本桜を叩きながら、ミュージカル調なアニソンのドラミングを罪のない若者に教えながら、割と絶望している。
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打楽器(パーカッション)を幼いころから学んでいる人口はとても少ないため、プロの打楽器奏者・講師としては嬉しい限りです。お子様の興味を活かし、楽しい時間を合理的に過ごすおすすめ方法をいくつか提案します。
--------------- 1. キッズドラムセット(Playtech社など、15,000円程度)にメッシュヘッドTama社計4,000円程度)を張る方法。必要に応じてLow Volumeシンバル(15,000円程度)追加。 こちらはお子様用に作られた小型のドラムセットになります。残念ながら多くのドラムセットは大型で未就学児のお子様ですと手や足が届きませんが、こちらですとしっかり届きます。ドラムセットのフルセットなので、見た目の満足度は高いかと思います。 もちろん通常のヘッド(鼓面)を張ると大音量ですので、「メッシュヘッド」と呼ばれるタイプのものに張り替えていただくのがよろしいかと思います。こちらは電子ドラムに使われているヘッドで大幅な音量の削減が可能です。スティック同士を当てた音よりも小さくなります。残念ながらリム(フチ)やシェル(太鼓の胴)を叩いたときの音は変わりませんが、この音量はスティック同士の衝突と同じくらいになりますので、ある種不可避です。スティックにテニスラケットのテープやビニールテープを巻くことで少し音を柔らかくすることは可能です。 金属製のシンバルが付属することもありますがこれはとても大きな音がしてしまいますので、シンバル抜きで渡してあげるのが良いかと思います。シンバルがないことに不満を抱いてしまった場合、Low Volumeシンバルという細かい穴のたくさん空いたシンバルをご購入いただくのがよろしいかと思います。ハイハットという2枚ペアのものとクラッシュという少し大きなものの2つがあればそれっぽい見た目になります。こちらはそれぞれ7,000円くらいになります。これの音量もスティック同士の音に近いですが、高音域のみのため壁に吸収されやすくなっております。 この組み合わせにおいて最も懸念すべきは振動かと思われます。ご自宅が1階の場合は問題ありませんが、2階以上ですと横、下への振動の伝播があります。これはキックペダル(右足のペダル)に多くが由来しますので、お子様がジャンプしたときの衝撃より少し小さいくらいです。こちらはカーペットや防振マットで緩和できます。特にゴム製のマットは叩いている間に楽器がズレていくのを防止する働きもあり、安全対策にもなります。 2. 音楽スタジオで生のドラムセットを叩いてみる。(個人練習扱いでのスタジオ代600円-1,000円/h程度+スティック1,000円-3,000円程度) これはお子様がどうしても本物が良いとおっしゃった場合の解決策になります。4~5歳で、スローン(椅子)のサイズの問題でキックペダルに足がギリギリつくくらいだと思われます。足がフラフラしてしまうので、ご自宅から小さい椅子を持っていくのも良いと思います。 スティックで叩くドラムやシンバルは、高さや傾きを調整してあげればうまく鼓面に当てれるようになります。 スティックに関してはご自分で用意していただく必要があります。太さ、長さ、見た目、重さにバリエーションがありますので、楽器店さんにお子様を連れて行くのもよろしいかと思います。小型で軽量なものの方が音は小さくなります。4~5歳ですと大人用でも掴むことができます。スタジオの受付でも大抵何種類か販売しています。 生のドラムを叩くとき、必ず約束していただきたいことがあります。それは、耳栓などの音量対策です。音量がとても大きい楽器なので、耳を守る対策が必須です。耳栓以外にも空港で使うような耳を完全に覆うタイプのヘッドホンも使うことができます。 3. スネアドラム(15,000円程度)または練習パッド(6,000円程度)、とスタンド(6,000円程度)。 何か叩く相手があればよいということであればこの方法が良いかと思います。生ドラムの場合1.同様メッシュヘッドにしていただくと良いと思います。練習パッドは机の上でも演奏できますが、振動の伝播があるのでスタンドをおすすめします。 スタンドは調節できる最も低い高さと保持することのできるドラムの内径(インチ)に注意していただければ良いと思います。 スネアソロの演奏を見せてワクワクするようなお子様も多いので、その様な場合はこれが最も良いかと思います。 お子様によっては、チューニングによって音が変わることに興味を示される場合もあります。 4. ドラムセット以外の打楽器に挑戦する。 Remoというブランドがドラムサークルなどに使用する楽器の開発に力を入れており、特に有名です。今まで紹介した楽器に比べて安全性がはるかに上です。 こちらも楽器店さんで試奏してみるのが良いと思います。 5. ボディパーカッションに挑戦する。 一時期前にStompというシアターが流行りましたが、そういったパフォーマンス全般をボディパーカッションと呼びます。身体に限らず、ご自宅にあるものを叩く、擦る、などして音を出すことで音楽を作ります。 私が子供のレッスンを受け持つとき、多くの場合ドラムセットとボディパーカッションのミックスになります。 ----------------- ご自宅での練習に関しては、1.の様な対策が有効かと思います。また、特に男の子の場合、叩いて良いもの、いけないもの、叩いて良い時間、いけない時間についてお子様とお話をしていただくのも大事かもしれません。 また、別角度の解決法として、個人レッスン、習い事を受けてみるというのも良いかもしれません。私自身も教室を開講していますのでぜひご相談ください。巧緻性が未発達でピアノが苦手なお子さん、先天的音痴やシャイな性格から歌やバイオリンが苦手なお子さんも、楽しく習うことができます。リズム感の発達や音色への気づき、周りの楽器とのバランスを通しての社交性の発達などの影響が見込まれますので、ぜひご検討ください。 現役のプロとしてドラム/パーカッション講師を始めて5年目、生徒さん達からのアンケートを基にまとめます。
個人レッスンを受ける意味として大きく分けると次の6つが考えられそうです。 ------ 1.何が違うのかを学び、効率的に練習できる。 「なんかうまく聞こえない/叩けない」という曖昧な悩みの状態から「こうこうこうだからこうなっている」という具体的な原因と結果がわかっている状態に素早く辿り着けるのは大きな利点です。客観的な指摘をプロの視点から提供することで何がわかっていないのかわからない状態を脱却します。 このプロセスを通して何を治すべきか目的が明確にわかるので、成長の効率が上がります。 2.ひとりひとりに合った練習の内容を学べる。 完成形のビートをやみくもに真似するよりも効率的な練習を学べるのも、大きな利点のようです。 また、練習パッドのみ持っている、キックペダルも持っている、電子/生ドラムをやっているなど所持楽器の種類や、部活で毎日叩ける、仕事休みの土日だけ叩けるなど練習時間も、ひとりひとり異なります。これらを考慮して最適なプランを立てられるのもメリットです。 ある生徒さんは1か月後の結婚式の出し物に向けて超特急で、ある生徒さんは全くの初心者でスティックの握り方から体系的に、ある生徒さんは経験者で見えていなかった部分をそれぞれ、そんな融通が利きます。 自分の場合、通勤通学の空き時間などに楽器無しで練習する方法なども提供しているので、これも好評のようです。 3.目標が目の前で見える/聞ける。 自分自身楽器を始めたての頃は教則本の挿絵やビデオを見て自学をしていましたが、これはなかなか難しいです。私の後ろに立って奏者目線で観察したり、目標となる演奏をゆっくりにして/分解して聞いたりできるのが個人レッスンならではの良さです。録画、録音もOKにしているので、家に帰ってから復習できます。 4.楽器や練習用品を買うときのアドバイスが得られる。 これも意外とよく言われます。「これを買って練習になるのだろうか」「カホンはどこを見てどこで買えばよいのか」という相談にプロの演奏家の視点から答えられます。 5.できるようになったことが明確になりモチベーションが上がる。 大抵の場合は実際に上手くなるまで次のトピックには移らないので、上手くなったときの実感があるようです。確かに曲が叩けるようになった、ベースと離れなくなった、など成果が出るのは嬉しいですよね。 6.自分の都合でレッスンとその支払いのペースが決められる。 これは特に集団レッスンや大手教室、エージェントを通した場合と比べて、という話になります。集団レッスンですと、「毎週何時にどこどこ」という指定、固定があるようですが、私のような個人レッスンの場合、「今日は学校/職場の近く、次回は自宅寄り」「来週急に空き時間ができたからそこで」など好きなタイミング、ペースで学べます。また、月何回という月謝制でもなく都度支払いなので忙しい時期に振り替えないと損をするようなこともありません。 ------- 特に上の5つの利点に関しては医者に診てもらうのと似ているように思います。「なんか咳が出るからかぜ薬飲む」よりも医者に行って検査を受けて原因と症状を明らかにして効果のある薬を処方してもらった方が効率良く確実に治せる、という具合です。 この記事の内容がレッスン受講を考えている人、レッスン開講を考えている人、双方の役に立てば幸いです。また、東京でドラム、カホン、コンガ、音楽理論などのレッスンに興味がある方はぜひご連絡、ご予約ください。
ドラム講師をしていると「ドラムは自宅で練習できない」という説について意見を求められることが多いのでここに私の考えを書きます。
1.そもそも「ドラムは自宅で練習できない」と言われる原因は何か 一般的に、ドラムセットは大音量で、かつ大型なため運ぶことがが困難な楽器です。これが大きな原因として考えられます。 小型で移送が容易であればボーカルやサックスのようにカラオケボックス等で練習することができますが、これはできません。 また、ドラムセットの演奏は(一部のスタイルを除いてほとんどが)大きな音量での演奏を求められます。これは日本の住宅事情と相性が合いません。 2.練習に別の楽器を用いて問題を解決できるか 練習に用いる楽器には様々なオプションがあります。
では、練習パッドとキックペダルのみで練習できるのか、考えていきましょう。 3.ドラムは練習パッドでもかなり練習できると考える理由 練習とは何かを考えてみると、練習パッド、あるいは楽器なしであってもかなり練習できるということがわかります。 視点A.練習のプロセス
このプロセスは書道に例えるとわかりやすいかと思います。
視点B.練習に用いる感覚
脳の練習、復習はは自宅でも、楽器を用いずにできることがわかります。また、筋肉の練習も、ドラムセット依存の感覚を用いるものでなければ練習パッドで練習できます。 (〇=練習パッドや楽器なしでも練習可、×=生ドラムなし練習不可)
4.練習パッド、あるいは楽器なしで自宅で練習する方法
練習パッド、あるいは楽器をまったく用いない具体的な練習方法として、以下のようなものがあります。
実際に私も上のような練習を行ってきました。プロになった今でこそ生の楽器を叩いて練習できる環境にありますが、大学で音楽科を選ぶまではパッドとスティックの練習がほとんどでした。 特にパッドとスティックすら使わない方法は、追加の利点として場所を選ばないことがあります。散歩中にメトロノームを聴いて歌うことも、通勤・通学中の電車内でお手本と自分の演奏を比較して分析することもできます。僕は大学時代、学食の洗い場でバイトをしていた時も頭の中で練習を続けていました。戻ってきた2枚の皿を完全に同じタイミングで食洗器に突っ込むことで両手で同時にストロークする触覚の練習もできました。 5.楽器がないと練習できない(=自宅では練習できない)内容は何か 逆に、ドラムセットがないと練習できないことがあるのも事実です。これを理解することで、スタジオに入った時などの短い練習時間に効率的な練習ができます。
6.おわりに 今回の記事が、ドラムセットを学ぶ皆さんの参考になれば幸いです。ドラムセットの学習をより多くの場所でより多くの時間に、効率的に学ぶことが大切です。目的を明らかにすることで無駄な練習の削減にも繋がりますので、もっと速いペースで上達できるでしょう。 僕は個人レッスンもやっていて、受講者の皆さんにはそれぞれの目標や得手不得手、所持楽器の有無、学習ペースなどに合わせて練習方法を提案しています。どこから始めたらいいのかわからない初心者の方、体系的に学びなおしたい方、さらに上達ペースを早めたい方、ぜひご連絡・ご予約下さい。 親の孤立、児童虐待といった問題に対して官民双方から色々な対策が取られている。しかし多様性の尊重・個の時代・若者の人口集中という大きな力は育てる人間の減少と孤立を進めており、すぐに止まりそうにはない。
個人の人格についてTraitsとStatesの両要因が認められるようになった21世紀ではあるものの、子育てという問題に関しては親の安定したTraitsとその産物としての安定した人格に対する世間の期待値が未だ高く、親である(/になる)ということの息苦しさは耐え難いものとなり、少子化として現れている。 この状況は親だけでなく、子どもにとっても息苦しいものとなっている。生みの親ではない従来の育て親、つまり親戚、学校、地域のようなコミュニティの利用・干渉が難しくなってきたことで機会の不平等、貧困の連鎖、子どもの権利の侵害には歯止めがかからなくなっている。 セーフティネットの利用・干渉が難しくなっていくこの潮流の中では、子育てをする親/したいと思う大人/される子を「親権の呪い」の集中から解放するアプローチも効果的ではないだろうか?人格とそれを決定する一要因のStatesには揺らぎ(Fluctuation)があることを認め、大人が親になる/を辞めることを意思に基づいて選択できる、そんなシステムを時代の大きな流れに乗せることは可能だろうか? そんな問いを繰り返す中で私は「所有から利用へ」というLiberationを親権にも適用できないかと考えるようになった。 親権サブスクリプションの特徴
Pro, Benefit
Con, Risk
養子縁組など日米の現行制度とこのシステムの大きな違いは以下の2点。
児童相談所の援助や一時保護、里親制度など日米の現行制度とこのシステムの大きな違いは以下の2点。
「高齢者×子育て」モデルの事業、社会実験もよく見るようになったが、それらとの違いは次の点。
親権サブスクリプションは、そもそも現行法では実現できない。しかも親権のやり取りを"手軽"にしてしまう過激に聞こえるため、生みの親と子の"絆"を神聖視する人々がアナフィラキシーショックを起こすかもしれない。しかし以下の点を考えると、非現実的な極論とも言いきれないのではないだろうか。
「ひとはひと」の時代、コミュニティの制振機能に頼らずに各個人、各家庭のブレをいかにマッチさせ分散させるべきか、という視点で子育てについて再考できた。無慈悲な親権という責任・義務で首を絞められる構図の解消に繋がるアイデアがもっと増えると嬉しい。また副産物として、社会の分断と共感機能の衰弱が相互作用しているこの時代に反行できる可能性も見えてきた。世界を見せると期待されたインターネットはむしろ究極のエコーチェンバーと判明したが、子育てを通してオフラインのランダムな多様性を体感することは今後もできるかもしれない。 1.打楽器奏者のタイプを知る
世間には、様々な種類の打楽器奏者がいます。音楽のジャンル、シーン(場面)、楽器所有の有無、経験等を加味して適切な人に仕事を頼むのが大切です。 まず音楽のジャンルについて、クラシック、ロック・ポップ、ジャズ、ラテン、それぞれ別の能力が要求されるのは他の楽器と同様です。もちろん複数のジャンルができる人もいます。ただし打楽器奏者について特に留意して頂きたいのは、ジャンルによって必要となる楽器が大きく異なるということです。例えばドラムセットを使う仕事でも、ロックとジャズではほとんど別物のドラム、シンバルが好まれます。したがって依頼する奏者の所有する楽器が非常に重要になってきます。楽器の種類がわかるという方は、多くの(まともな)奏者がGear List(使用機材リスト)という形で自分の所有する楽器を提示する手段を持っていますので、ウェブサイトや問い合わせで調べましょう。(宣伝:僕のGear Listはこちら。)楽器の種類が特にわからない方は、経歴を見るか、直接相談しましょう。駆け出しの奏者は機材が揃っていない場合もありますが、複数の打楽器奏者がいる場合にはある程度機材力のある奏者が楽器のレンタルを行うという場合もあります。 次にシーン(場面)についてです。これは依頼のタイプとも言い換えられます。例えば小編成を組んで狭い会場でBGM的に演奏するのと、広い会場、厚い編成で音楽がメインの演奏をするのとでは、必要とされる能力も楽器も異なります。これに関しては経験値も大きく影響するので、依頼先の経歴やメディアを確認するとよいでしょう。 学歴、受賞歴で判断するのは例外が多いのであまり賢明とは言えません。クラシック畑の学校を出ているジャズマンもいますし、アンサンブルょゎょゎなソリストもいます。(ジャズのできないジャズ科も……) エンドースメント(楽器メーカーなどの公式認定)のあるアーティストは多少信頼度が高いかもしれません。ただしこれには注意が必要です。好きなメーカーのエンドースは受けますが、あまり好きではない会社からのお誘いはお断りしている場合もあります。そのため、エンドースがなくても素晴らしいアーティストもたくさんいます。 2.打楽器奏者の価格を知る 打楽器奏者の報酬相場に関しては、世に出回る情報が少ないからか不安の声をよく聞きます。これは経験値や応用力、集客力に依って変わります。 やはり集客力は大きいファクターで、今でいうとSNSのフォロワー数なんかで露骨にわかります。知名度がありファン層がお金を落としやすいような場合には主催者側に入ってくるお金も大きくなるので、報酬額も高まりやすいという仕組みです。ライブ、コンサート系の仕事でよくみられるチケットバックや歩合といったものと、REC系の仕事でよく見られる〇万円という固定額のものの大分して2つ、報酬の設定方法がありますので、打楽器奏者側との交渉が必要です。「先生」や「マエストロ」と呼ばれる”お高い”人でも集客力がなかったりするので、特に初めて依頼するときは少し注意が必要です。 経験値、応用力も報酬額に関与してきます。こちらは集客力ほど劇的な影響がないので、比較的お得な奏者を見つけることもできるともいえます。多くの場面、ジャンルを経験し楽器を所有しているような奏者はその場の状況を見て演奏以外の能力を提供してくれる可能性があります。複数ジャンルの音楽を一現場で演奏したり、大編成向けの楽譜しかないときに作編曲の能力を活かして小編成に書き換えたり、複数楽器の演奏ができることから小音量が要求される場面でドラムセット以外の楽器を提案したり、ミュージカルの経験と機材を活かして複数のパートを一人でカバーしたり、英語を生かして海外ミュージシャンとの通訳をしたり、人脈を活かして他のメンバーを調達したり、即興演奏の能力を活かして”引き伸ばし”を行ったり、そういった演奏の”一つ外側”の仕事を同時に行うことのできる人材が多くいますのでぜひ探してみましょう。(宣伝:上記は私のよく頂く依頼例です。) 報酬額の設定方法については人によって大きく異なるのでまずは問い合わせて相談することをお勧めします。(宣伝:僕の価格表はこちら。)ちなみに報酬額を考えるとき、打楽器奏者側はこんなことを考慮していますのでご参考になれば幸いです。(ヒント:会場に楽器があると経費が安くなるので報酬額も少なくて済む。次の仕事の確約があるとちょっと安くしやすくなる。)
3.仕事を依頼する時に送るべき、知らせるべきもの 仕事がどれほどスムーズに進行するかは最終的な演奏のクオリティや次の現場の報酬額に間接的に影響してくるので、前準備の段階が当日より大切かもしれません。依頼の決定次第送られてくると嬉しいものは以下の通りです。
4.リハ、本番日に打楽器奏者が気にすること リハや本番の日にも、仕事がスムーズにいくかどうかの鍵となる事項がいくつかあります。
5.最後に 今回このような文章を書いたのには、紹介や集客力、学歴のみが判断材料になり、明らかなミスマッチの仕事を頼んで/頼まれて失敗したという方が多い、前述の判断材料が重視された結果若手に回せる仕事が少なくなる現在の構造、(自他含め)打楽器奏者ならではの事情が多く依頼者と演奏者のミスコミュニケーションがしばしば発生している、という背景があります。これらの問題は金銭的なことを含むビジネス的トピックを軽視、and/or忌避する業界の傾向が一因になっているので、今回の記事がこの状況を改善させられれば幸いです。(宣伝:お仕事のご依頼待ってます。)
オンラインレッスンの第1弾として、デジタルパーカッション入門編を配信開始しました。
打楽器の演奏者の皆様向けに作りましたのでぜひご覧ください。 主な内容 ・MIDIとは何か ・MIDIを使うとどのような音楽が作れるのか ・電子楽器などを購入する際のポイント ・音声処理、エフェクターとは何か ・マイクの選び方、設置の仕方 ・機器の接続方法 ・トラブルシューティング
コンガレッスンの生徒の皆さんにいつもご案内している練習セットを紹介します。
綺麗な音色を出すのがとても重要かつ技術的に難しい楽器なので、コンガに関しては実物を使った練習が必要不可欠です。スタジオでレンタルして練習するのもよいのですが、スタジオの楽器はチューニング等メンテナンスのされていないものも多く、スラップのしようがない場合さえありますのでご注意ください。 コンガ本体
スタンド
ドラムの練習に困っている生徒さんが多いので、こちらに投稿しておきます。ご参考になれば幸いです。
何が必要?
最初はパッド(とスタンド)があれば問題ないと思います。
慣れてきて、ダブルストロークや速い演奏をキックペダルで行う必要が出た場合はキックペダルとそのパッドを買う必要があります。キックはあまり普段から行う動作ではないので、脳と筋肉に慣れてもらう必要があります。 キックペダルを買う場合は防音マットもおすすめします。振動を防ぐという意味と、ペダルを固定するスタッドによって床が傷つくのを防ぐという意味があります。 シンバル類も僕は使っていますが、スタンド類を含めると結構金額が高くなってしまうので、本物のドラムを所有する場合以外は特に必要ないかと面ます。 練習パッドとスタンド
キックペダル
シンバル防音マット
帰国以降様々な場でこの曲を演奏してきました。楽譜が欲しいという声をよく聞きますので、ここに公開したいと思います。 電子楽器ならではの表現になっており、大人にも子供にもウケます。演奏時間が1分以下ですのでコンサートの導入やデモ演奏なんかにはもってこいです。 1打で生楽器4打分(元の音、1オクターヴ下、完全4度上、元の音)が出せるので練習量の割に上手く聴こえるようになっています。ご活用ください。
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