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7と8のズレる緊張感について

3/7/2018

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4と3、2と3の組み合わせに比べ、今回紹介する7と8の組み合わせは最小公倍数が大きいため、緊張感が大きな時間単位で生み出されます。通常の組み合わせは最小公倍数が小さくすぐに二つの感覚が合致してしまうのですが、7と8の場合はなかなか合致しません。そのため合致の瞬間(=最小公倍数の始まり)が認識されず、どんどん"ズレている"という感覚になります。

(00:00-04:10) さて、問題の7と8ですが曲の終盤まで現れません。前述の期間のリズムパターンは2つで両方とも4/4です。1つ目は十六分シンコペーションの効いたパターン。ハイハットが八分で遊びを作っているところにギターのカッティングが絶妙なスウィング的意図(八分の表と裏の音価属性の違い)を加えています。2つ目はキックの4つ打ちが明快なパターン。メロディはシンコペーションし続けますが、ハイハットが十六分になるのでよりイーブンなフィールになります。この2つのパターンの繰り返しで曲は進みます。

(04:10-04:24) ここで後奏的に現れるのが今日の本題である7を基調にしたリフです。ピアノのリフは7/16。2+2+(2+1)という3拍子の分割がなされています。

(04:24-04:37) 他パートが合流してきます。全員7/8で合流してきます。ピアノのリフ(7/16)2つ分で1ループですね。ドラム・ベースの分割が少しピアノと異なります;4+4+3+3となっています。ここまでの曲4分間が四分音符を強く意識させるフレーズだったので、四分ベースで取る方も多いと思います。その場合は1+1+0.75+0.75となります。ここで起きているのは2種類の7(3拍子と4拍子)の共存ですね。下図に示しました。

1-2-3--1-2-3--
1---2---3--4--

上がピアノ、下がドラム・ベースとなります。パート毎の関係性はドラム・ベースの上にピアノが乗っている形になります。したがってドラム・ベースの4拍子を基調として考えます。すると、ピアノの偶数回目のリフの始まり(上図下線部)を3拍目のシンコペーションと考えられます。これがこのフレーズの面白みの一つになっているのだと思います。

(04:37-) ここでドラムが7から8に分離します。ここでいよいよ"ズレ"が起きてくるわけです。ドラムは最小単位が四分音符の強烈な2/4パターンを打ちます。


1-2-3--1-2-3--1-2-3--1-2-3--!
1---2---1---2---1---2---1---2---

上図のようになるわけです。下がドラム、上が他パートです。僕が聴いたときは、8の方が圧倒的に数え易い分、8-1である7が十六分音符一つずつ"前のめり"になっていく形に聞こえました。もしかするとそこまで繰り返されてきたリフ、7のパターンを基調に捉えた方もいらっしゃるかもしれません。その場合はドラムが十六分音符一つずつ"遅れていく"ことになります。この緊張感がたまりませんね。ギターかベースかのどちらかが途中でドラムに乗ってきてまろやかになるのかと予想しましたが、そのまま7と8の緊張感を最大限に保ったままこの曲は終わりを迎えます。

このドラムは演奏していて気持ちいいと思います。このめちゃめちゃ簡単なドラムのパターンがここまで輝く曲はなかなかありませんね。

(追記) これのことを"ポリリズム"と呼ぶミュージシャンがいてびっくりしたことを覚えています。ポリリズムとポリメトリックの違いは音楽理論の講義でいうと最初の学期に習います。テストによく出る内容ですよね。
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